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2018年12月22日

出光と昭和シェルの経営統合決定!これまでの道のりをまとめて解説



2019年4月1日に、出光興産と昭和シェル石油が経営統合します。

2018年12月18日に開催された両社の臨時株主総会で、統合に向けた全ての手続きが完了しました。
2015年7月に、経営統合について発表してから、約3年半。

これまでの経緯を、分かりやすく時系列でまとめてみました!


2015年7月出光興産が、昭和シェル石油の株式33.3%を取得する契約を締結
2015年11月出光興産と昭和シェル石油は、経営統合に関する基本合意書を締結
2016年6月出光創業家が、株主総会で昭和シェル石油との経営統合について反対!
2016年8月出光創業家が、昭和シェル石油の株式40万株を取得
2016年10月2017年4月に予定していた出光興産と昭和シェル石油の経営統合の時期を延期
2016年12月出光興産は、昭和シェル石油の株式31.3%の取得を完了
2017年5月出光興産と昭和シェル石油の協働事業の強化・推進へ
2017年7月出光興産の公募増資に対して、創業家が新株式発行の差止め仮処分の申立てを行うが、却下
2018年7月出光興産と昭和シェル石油は、2019年4月に経営統合する合意書を締結
2018年10月 出光興産と昭和シェル石油は、経営統合へ向けて株式交換契約を締結
2018年12月出光興産と昭和シェル石油は、それぞれ臨時株主総会を開き、2019年4月の経営統合について株主の承認を得る

いよいよ出光と昭和シェルの経営統合の手続きが完了して、あとは4月を待つばかりね。


たしか出光って、昭和シェルとの統合に反対する創業家と経営陣で揉めていたんだよね。


最初は、2016年を目途に統合会社発⾜を予定していたけれど、出光創業家の反対により、予定通り進まなかったわね。


長引きすぎて、何が起こったか、忘れちゃった…


2015年の経営統合の発表から、先日の株主総会で承認されるまでの流れを時系列で追ってみましょう!



【2015年7月】
出光興産が、昭和シェル石油の株式33.3%を取得する契約を締結


出光興産が、昭和シェル石油の親会社ロイヤル・ダッチ・シェルより、昭和シェル石油の株式33.3%(議決権比率)を取得 する契約を締結しました。
これにより、昭和シェルとの経営統合に向けた協議を進めることになります。

昭和シェルは、この契約に至るまで、販売店からの反対なども受けていたから、”対等な立場での統合”を目指すことを強調していたわね。



【2015年11月】
出光興産と昭和シェル石油は、経営統合に関する基本合意書を締結


2015年11月12日に、対等の精神に基づく 経営統合に関する基本合意書を締結しました。
経営統合は、合併 によることを基本方針とすることとなります。

2016年10月から2017年4月までに、統合会社の発足を目指すことが決まったわ。


この時はまだ、JXTGグループに先を越されるなんて、夢にも思っていなかっただろうね。



【2016年6月】
出光創業家が、株主総会で昭和シェル石油との経営統合について反対!


2016年6月17日、出光興産と昭和シェル石油の統合に向けて、スケジュール変更の発表がありました。
昭和シェル石油の株式取得は 2016年9月中に、統合会社発足は 2017年4月1日の予定となりました。

しかし、その後6月28日に開催された出光興産の株主総会で、大株主でもある創業家より、経営統合について反対の意見が表明されました。

創業家は約34%の株式を保有しており、合併などの重要案件を 株主総会で否決できる立場 にあります。

ロイヤル・ダッチ・シェルからの昭和シェル株の取得については、株主の同意は必要ありませんが、その後の 昭和シェル石油との経営統合に関しては、株主総会の決議で 3分の2以上の賛成が必要 となります。

いきなり株主総会で反対と言われて、ビックリしただろうね。


経営陣は「驚きを隠せない」と言っているのに対し、創業家は「寝耳に水と言われるのは心外」と言っていて、お互いに認識にズレがあったことは確かね。


でも、何で創業家は反対するのかな?

創業家は、「対等の精神での統合」が腑に落ちなかったようね。また、統合により創業家の株式の比率が3分の1を切って、影響力が落ちることも心配していたようだわ。


影響力の心配って… お家騒動あるある、だな。


こらこら。
主な反対理由は、2つ挙げられていて、1つは 企業体質の違いよ。


確かに、出光は日本的な企業で、昭和シェルは外資系企業だから、かなり雰囲気が違いそう。


もう1つは、イランと親密な出光が、サウジアラビア国営石油の資本が入る昭和シェルと合併することは、両国の関係性を考えると不適当、という見方もあるみたいよ。


海賊とよばれた男、だね!


株主総会後も、経営陣と創業家で話し合いの場が持たれたようだけど、議論は平行線を辿ったようね。



【2016年8月】
出光創業家が、昭和シェル石油の株式40万株を取得


出光創業家が、昭和シェル石油の株を、市場で40万株取得しました。
これは、昭和シェル石油の発行済株式数の0.1%程度となります。

出光興産は昭和シェル石油との経営統合を前提に、昭和シェル石油の株式を取得する予定でしたが、創業家の動きにより、予定通りに進めることが難しくなりそうです。

創業家が想定外の行動に出たわね。


取得したのは、0.1%程度なのに、何か影響があるの?


出光は、ロイヤル・ダッチ・シェルから相対取引で、昭和シェルの株33.3%を直接買い取る計画だったの。


今回のことの始まりだね。


金融商品取引法では、発行済み株式数の3分の1(33.3%)を超える株式を取得する場合は、株式公開買い付け(TOB)をしないといけないの。
出光は、TOBなしに株を買い取れるギリギリの株数で合意していたけれど、創業家が0.1%取得してしまったから、33.3%をちょっとだけ超えてしまうわけ。


でも、個人で買ったんだから、出光の割合とは関係ないんじゃないの?


創業家は出光の株式を20%以上持っているので、出光の「特別関係者」に当たるの。出光が株式を取得する場合、会社の取得する割合だけでなく、特別関係者の持っている株式も考慮しないといけないのよ。


そうだったんだ!それを考えて、自分で4億近いお金を出すなんて、お金持ちがやることは、すごいね。


創業家の代理人は記者会見で、「意地悪をしているつもりはない」と言ったらしいけれど・・・


意地悪してない、って言う人は、たいてい意地悪だよね。。


ただ、創業者の代理人は同じ記者会見で、統合して損をするのは消費者だ、とも言っているの。
確かに、競争の観点からすると、消費者が損をする可能性もあるわね。


ガソリン価格が下がらないのは、困るな。。


長期的な観点で見ると、何が得で何が損か・・・難しいわね。



【2016年10月】
2017年4月に予定していた出光興産と昭和シェル石油の経営統合の時期を延期


出光は、2016年9月に予定していた ロイヤルダッチシェルからの昭和シェル石油の株式取得を、すでに延期しています。
また、2017年4月に予定していた、経営統合の時期も延期すると発表しました。

結局、予定通りに昭和シェルの株式取得ができないから、経営統合の時期も延びちゃったんだね。創業家の思惑通りか…


その後すぐ、12月には、また動きがあったわ。



【2016年12月】
出光興産は、昭和シェル石油の株式31.3%の取得を完了


出光興産が、ロイヤルダッチシェルから取得した昭和シェル石油の株式は、議決権ベースで31.3%と、当初の計画33.3%より取得株数を減らしました。
今回取得しなかった株式は、ロイヤルダッチシェルが少数株主として保有するようです。

出光は、昭和シェル石油の株を取得することができたんだね。


公開買付規制に抵触しないよう、当初予定していた33.3%ではなく、31.3%の株式取得に減らしたのよ。


これで、経営統合に向けて一歩前進したのかな!?


公正取引委員会から、昭和シェルの株式を取得する承認された この日に、JXホールディングスと東燃ゼネラル石油の2017年4月の統合も承認されたのよ。


出光と昭和シェルより後に経営統合の話がでたのに、先を越されてしまったんだね。
もし自分が出光の経営陣だったら、嬉しいような悔しいような日だろうな。。


そんな“もしも”はないから、心配しないで大丈夫よ。



【2017年5月】
出光興産と昭和シェル石油の協働事業の強化・推進へ


出光興産と昭和シェル石油の経営統合を見据えて、企業グループを形成して協働事業を強化・推進するため「ブライターエナジーアライアンス」を立ち上げました。
経営統合が実現するまでの時間を有効活用し、主に両社で重複する事業分野において、シナジー効果の先取りを図ることが目的です。

経営統合を待たずに、実務面で協働し始めるのね。


一緒に仕事を進めることで、これまで心配されていた企業文化の違いも、薄まるのかな!?


効果としては、3年以内に年間250億円以上のシナジー創出を目指すそうよ。



【2017年7月】
出光興産の公募増資に対して、創業家が新株式発行の差止め仮処分の申立てを行うが、却下


出光興産が、発行済み株式の3割にあたる4800万株を、公募による新株式で発行することを決議しました。
創業家は、新株発行は経営者の支配権維持を目的としたもので、不公正な方法、と新株式発行の差止め仮処分を裁判所に申し立てました。
しかし、創業家らの申立てを却下する決定となりました。

創業家は、どうして裁判所に申立てまで行ったの?


新株が発行されることによって、創業家が持っている株の比率が下がってしまうことを恐れていたのよ。持ち株の比率が、3分の1を超えないと、拒否権が発動されないからね。


確かに、それは創業家のピンチだね!!


申立てが却下されたのは、増資の目的が、昭和シェルとの経営統合前から進めていた、ベトナムの製油所関連の投融資や、有機EL事業の設備投資にあてる資金を調達するためだからよ。
また、“公募”というのもポイントだったみたいね。


何で公募がポイントなの?


公募だと、創業家の人も株を買うことができるのよ。そうすると、“創業家を排除するための増資”という理論を通すことが難しくなるわ。


そいうことだったのか~。



【2018年7月】
出光興産と昭和シェル石油は、2019年4月に経営統合する合意書を締結


出光興産と昭和シェル石油は、経営統合に関する合意書を締結しました。
今後、株式交換契約の締結等の手続を経て、2019年4月1日付で昭和シェル石油と経営統合を実施することを発表しました。

2018年の春先から、創業家と経営陣が協議を重ねたことで、経営統合により出光の根幹を支える理念が継承されなくなるという、創業家の懸念が解消されたことが、経営統合実現の背景にあります。

やっと経営統合が実現することになったんだね。でも、何だか急展開な気がするな。


そうね。2018年の春先から創業家と経営陣の交渉が始まっていたそうよ。
経営統合にあたって、創業家と交わしたいくつかの条件があるのよ。


どんな条件なの?


条件は、この3つになるわ。
①統合後の新会社に、創業家が推薦する2名の取締役を入れること
②1200万株の自己株式の取得
③株主還元の充実


創業家推薦の取締役を2名入れることは、分かるな。
でも、自己株式の取得や株主還元の充実が条件とは思わなかったよ。


経営統合に至ったのは、創業家のアドバイザーとして村上世彰氏が付いて、これらの条件も含めて、創業家を説得したという報道もあるわ。


村上氏って、あの「もの言う株主」の!?
そうだったのか・・・


ちなみに、商号は「出光興産」となるけれど、トレードネームは「出光昭和シェル」となるのよ。
また、経営統合の一定期間は、両社の既存のブランドを併用するようね。


一定期間、ってどの位だろうね・・・?


それは、私にも分からないわ。



【2018年10月】
出光興産と昭和シェル石油は、経営統合へ向けて株式交換契約を締結


経営統合は、出光興産の株式を昭和シェル石油の株主に交付して、出光興産が昭和シェル石油の発行済株式の全部を取得する株式交換により行います。
昭和シェル石油の普通株式 1株に対して、出光興産の普通株式 0.41株を割当交付することが決定しました。

今回は、株式交換比率が決まったわね。また、経営統合後の人事も決定したわ。新会社の社長には、出光の社長が就き、昭和シェルの社長は代表権のある副会長になるそうよ。


創業家と意見がまとまったら、どんどん話が進んでいくね。



【2018年12月】
出光興産と昭和シェル石油は、それぞれ臨時株主総会を開き、2019年4月の経営統合について株主の承認を得る


2018年12月18日、出光興産と昭和シェル石油は、それぞれ臨時株主総会を開きました。

株式交換を行って出光興産が昭和シェル石油を子会社化する形で、2019年4月に経営統合する議案を提案し、株主の承認を得ました。

これにより、昭和シェル石油は2019年3月27日に上場廃止となり、4月1日付で出光興産の完全子会社となります。

無事に、それぞれの株主総会が終わったね。


2015年7月に、出光が昭和シェルの株式を取得する契約をしてから、3年以上経って、ようやく手続きが完了したわね。


今回、最初から振り返ってみたけど、やっぱり3年って長いね・・・


ごーくんは、今一瞬で振り返っただけでしょ。


長かったから、小説を読んでいる気分になったよ。
事実は小説よりも奇なり、かな!?


もう!上手いこと言った、みたいな顔しないの!!



今回は、出光と昭和シェルの経営統合が、株主総会で承認されるまでの約3年半を、時系列を追って、解説いたしました。

初めて読む方でも分かりやすいように、だいぶ噛み砕いて解説させていただいた部分もあります。

もっと詳しく知りたい方は、下記 出光興産のプレスリリースや記事を参考にしてみてください。

私も今回の記事を書くにあたり、下記資料を参考にさせていただきました。

【出光興産 ニュースリリース】

2015年7月30日
ロイヤル・ダッチ・シェルからの昭和シェル石油株式会社の株式(33.3%議決権比率)の取得に関するお知らせ
2015年11月12日
昭和シェル石油株式会社と出光興産株式会社の経営統合に関する基本合意書締結のお知らせ
2016年6月17日
ロイヤル・ダッチ・シェルからの昭和シェル石油株式会社の株式(33.3%議決権比率)の取得時期並びに昭和シェル石油株式会社との統合スケジュールに関するお知らせ
2016年6月28日
本日の一部報道について
2016年10月13日
昭和シェル石油株式会社と出光興産株式会社の経営統合時期に関するお知らせ
2016年12月19日
ロイヤル・ダッチ・シェルからの昭和シェル石油株式会社の株式取得完了のお知らせ
2017年5月9日
昭和シェル石油株式会社と出光興産株式会社の協働事業の強化・推進に係る趣意書締結のお知らせ
2017年7月5日
株主による新株式発行の差止め仮処分の申立てに関するお知らせ
2018年7月10日
当社大株主との間の合意書の締結に関するお知らせ
2018年7月10日
経営統合に関する合意書の締結のお知らせ
2018年10月16日
株式交換契約の締結及び経営統合に関するお知らせ
2018年12月18日
臨時株主総会における株式交換契約等の承認に関するお知らせ

【参考記事】

【東洋経済 ONLINE】
出光家が今になって合併反対を主張するワケ
【週刊現代】
出光興産創業家が激白!私が「昭和シェルとの統合」に反対する理由
【日経ビジネス ONLINE】
出光興産、統合反対の創業家が打ち出した「奇策」
【DIAMOND ONLINE】
出光経営陣が繰り出した公募増資という“妙手”、創業家は窮地へ
【東洋経済 ONLINE】
出光・昭シェル、経営統合が実現した舞台裏

以上

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!





ガソリーナ先生


プロフィール
ごーくんが通う大学の経済学の先生。
仕事柄、原油価格や流通の話題に詳しい。
実はかなりの車好きで、全国各地のサーキットに通っては、いつかレースに出たいなんて野望も・・・






ごーくん


プロフィール
最近免許を取った大学生。
今は家族の車を借りてドライブに出かける程度だけど、いずれ自分の車を持ちたいと思っている。


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