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2021年9月3日

Uターンしていく客を“満ターン”に - 地震の絶望をSNS発信力で希望へ! -

※ こちらの記事は、株式会社月刊ガソリンスタンド社よりご提供いただいた記事となります。



少子高齢化、脱炭素化の加速など逆風が吹いているSS業界。


そのなかでも、地震で4年半もの間、目の前が通行止め地点となった丸野石油店ほどの逆境は他に例を見ないだろう。


そんな同店では、ツイッターを活用した発信力でコアなファンを獲得し難局を突破している。




丸野石油店(ENEOS系=熊本県南阿蘇村・丸野隆生社長)
通行止めだった国道を聖火ランナーが走った

「満ターン」を求めて旅の目的地となったSS


ガソリン満ターンでー。


ここ丸野石油店では、ファンの間で「満ターン」が合言葉になっている。


同店のガソリンや洗車を求めて訪れ、SNSで「#丸野石油店」「#満ターン」と発信するツイートは数知れず。移動の経由地でなく、旅の目的地になった経緯を取材した。




逆境から好転の転機となった自虐ツイート

5年前の熊本地震で不通となっていた国道57号が昨年10月に全線復旧した。


開通の日、大手新聞各社が「地元SSの喜び」を報じた。それまで通行止めだった地点が同店の目の前であり、実に4年半もの間、一般車両の通行が見込めない状況が続いたことが背景にあった。


だが、注目されたのはそれだけではない。


「Uターンせずに、ガソリン満ターンに」。


通行止めを知らずに走ってきた車が目の前で引き返していく。SSに入って来る車も道案内だけ。


そんな絶望的状況を、丸野隆大店長が自虐ネタとしてSNSで発信したことで「通行止めのSS」として話題となり、さらに、阿蘇の魅力や復興状況、趣味のサブカルチャー(漫画やアニメ)のネタを発信したことで注目を集めたのだ。




「丸野石油さんで満ターン」のツイート

逆境を自虐ネタで発信したことが「逆に勇気をもらう」と響く


月刊ガソリンスタンドでも2019年9月号にて丸野石油店を漫画化している。


そこでは地震直後の状況から復旧の内容が中心で、丸野隆大店長が家業に戻って、SNS配信で「聖地化」しているところで締めくくった。




2年前に漫画化した丸野石油店の物語

掲載後の活躍はさらに磨きがかかり、ニュース番組、新聞に何度も取り上げられたうえ、九州・熊本方面で絶大な人気を誇るドライブ漫画に登場するなど、アニメファンや阿蘇を応援する人々に支持されている。


とくに注目を浴びたのが、自虐ネタをラップ調に作詞したプロモーションビデオ。


「阿蘇にあーる店をPR〜入れてくれよガソリン満タ〜ン みんな目の前でUタ〜ン 通れるって思ってた〜ん?♪」


これをツイッターやYouTubeに公開し、多くの人々の共感を呼んだ。


このような逆境を前向きに等身大で発信する丸野店長に、ある顧客の一人は、「暗いニュースばかりですが、勇気をくれるニュースも! 通行止めの先にガソスタあるんです。逆境を跳ね除け、チャンスに変えるってゆうね。笑 彼らしい。私もユーザーの1人です。何より心も満タンにしてくれますよ」とツイートしている。


当初は絶望感もSNSの前向きな発信で状況が一変


熊本地震から2年後、2018年6月に家業に戻った丸野店長。


「生まれ育った地元に恩返ししよう」と意気揚々と帰ったが、SSの目の前が通行止め、たまに訪れる車はすぐにUターン、人口も半減しているという状況に当初は絶望を抱いたという。


だが、悲観的な状況を逆手に取り、「目の前で通行止めだけど前向きに頑張っているSSがある! だから皆さんに来てほしい」という想いをSNSで発信するようになった。


「ふさぎ込んでいたら現在のように好転することはなかったと思います。震災に限らず、逆境でも前向きな場所に人は集まることを学びました」。


このSNSが世界を大きく広げた。


先述のラップも、SNSでつながった熊本のバンドマンが作曲し、さらにその過程を知った映像制作会社が好意でプロモーションビデオを作ってくれた。


前向きな姿勢を発信したことで状況が一変したのだ。




趣味のサブカル分野でファンの輪が広がる

それまでは復旧工事の関係車両が来店客の中心だったが、丸野店長のSNSを見て、遠路はるばる給油に訪れる一般客が激増。


阿蘇への地元愛に共感する人、同じ趣味の漫画に共感する人など、ツイッターで結びついた「共通項」がファンを招いたのである。


ファンの一人は“美味しい店に行く感じ”と表現


取材時に、たまたま「レギュラー満ターンで!」と入ってきた常連客の桃根 医さんも、ツイッターをきっかけに同店を利用するようになったファンの一人。




「ガソリン満ターンで!」と訪れた桃根さん

「給油するだけなら近くに10円ほど安い店がありますが、ここにはプラスアルファがある。細かい気配り、地元愛、共通の趣味、そして丸野君の人柄。感覚としては“美味しい店”に行くような。他のお客も同じ感じだと思いますよ」。


そんな桃根さんの「満ターン」へのこだわりも半端ない。ガソリンタンクに燃料油がより多く入る傾きになるよう、わざわざ進行方向から逆にターンしてお決まりの給油位置に停めるのである。


このようなファンは数知れず、ツイッターで「#丸野石油店」と検索すると、同店を目的にドライブして給油や洗車をするツイートで溢れている。




地元や趣味の話題で盛り上がる

なかには、「納車して最初の給油は丸野石油と決めていました」「クルマが変わったご挨拶に」「57号線が開通した大切な日をお祝いしたく丸野石油さんへ」など、SSがドライブの特別な目的地になっているのだ。


SNSの目的は拡散ではなくコアなファンづくり


SNSは個人だけでなく、企業とのつながりにも貢献。


先の「満ターン」ステッカーも、ある大阪の企業が丸野店長のツイッターを見て声を掛けたことがきっかけ。1枚400円のステッカーがすでに500枚ほど売れている。


また、別の企業からオリジナルキーホルダー制作の提案を受けて、ユニークなグッズも誕生した。




オリジナルグッズのキーホルダーは売り切れる反響(左)
企業間コラボで作成したステッカー(右)

ほかには、コーヒー店とのコラボステッカー作成、塗料会社とはオリジナルキャラクターを制作し、国道57号の開通イベントにあわせて記念グッズを発売している。


丸野店長は「燃料油にこだわらず、オリジナル商品なり、洗車を極めるなり、創意工夫を重ね、新たなものを取り入れながら“自分の味”を出していきたい」と意気込む。


ツイッターの最大の特徴は拡散力とされるが、SNSが普及した昨今、そのゴールは拡散ではなく、つながった人との距離をいかに縮め、コアなファンを生み出すかとされる。




「満ターン」ステッカーを貼るファン

逆境下にあるSS業界の、さらに逆境を経験した同店の取り組みには、将来迎える脱炭素社会を生き抜くヒントがありそうだ。


ちなみに、通行止めだった国道が開通した現在、「満ターン」の次なる合言葉は「素通りされたらこ・ま・る・の」。


この明るさが、どんな逆境も残り越える源なのかもしれない。




逆境を「満ターン」返しの丸野店長

「#丸野石油」でTwitterを検索

Twitterアカウント:南阿蘇の丸野石油店


月刊ガソリン・スタンド 2021年 7月号

P.72 「逆境突破ファイル Uターンしていく客を“満ターン”に 地震の絶望をSNS発信力で希望へ!」より


【 掲載ガソリンスタンド 】

ENEOS 立野SS / (有)丸野石油店

(熊本県阿蘇郡南阿蘇村)


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