100年に一度と言われるエネルギー転換期を迎えるなか、TANAKAでは本社に隣接する向田SSを「エネルギーステーション」へとリニューアルする大胆な改革に踏み切った。

従来型の給油とカーケアのSSから、給油や充電ができて、EV、太陽光パネル、蓄電池、V2Hなどを販売する総合エネルギーステーションへと生まれ変わったのだ。

SSが新たなエネルギーライフスタイルを提案する拠点に

TANAKAは今年８月、向田SS道路側の計量機１基を撤去し、省スペース型急速充電器（ニチコン社製）を設置。地元消防署から認可を受けたもので、屋内型給油所としては全国でも珍しい事例だ。

それに合わせて、TBAなどのカーメンテ受付を止め、給油サービス（フル）に特化した。一方で認証工場を開設し、ディーラー点検などの整備事業を展開する営業形態へと一新した。

さらに、従来のサービスルームは、太陽光発電システムや蓄電池、V2H（電気自動車を充電するだけではなく、貯めた電気を家庭で使用する仕組み）の商談ルームへと改装。

EVやPHVと太陽光発電、蓄電池の３つを合わせた「トライブリッド」を仕掛ける。信販会社と組んで、オートローンとリフォームを組み合わせた提案や、V2H充放電設備設置を対象とした補助金活用による販売の促進をめざす意向だ。

田中大地専務は、「当社は石油、ガス事業に加え、11年前には元売の太陽光発電事業の重点店に選ばれ、産業用、住宅用向けに販売してきた。

また、5年前から新車市場に取り組み、マイカーリースを中心に年間で300台近く車が売れるノウハウも蓄積した。時代が激変するなか、石油、電気という地域に不可欠なライフラインを、エネルギー業界の代表格であるENEOSマークの店の中でやることに意義がある。

“エネルギーを使った豊かな暮らしを創造する”を合言葉に、総合エネルギーカンパニーへと挑戦していきたい」と意気込む。

未来のSSを予感させる新業態への挑戦から目が離せない。

P.28 「◎未来型SSが誕生 ～ TANAKA・向田SS ～ 地域密着型『総合エネルギーステーション』への挑戦」より

【 掲載ガソリンスタンド 】

（鹿児島県薩摩川内市）