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2023年11月24日

ニュースでも話題!トリガー条項発動でガソリン価格はいくらになる?



先日 11月22日付のニュースで「トリガー条項凍結解除検討へ!」と話題になりました。


トリガー条項の凍結解除することは、ガソリン税を一部軽減することとなります。


◆ トリガー条項の凍結解除をすると、ガソリン価格はいくら値下がりする?


この疑問にお答えするため、ガソリンにかかる税金やトリガー条項について確認してみましょう!



ガソリンにかかる税金


ガソリンには、消費税とは別に固定の税金がかかります。


ガソリン 1Lにかかる固定の税金

ガソリン税(本則税率)28.7円
ガソリン税(暫定税率)25.1円
石油税 2.8円

※ ガソリン税・石油税は、本体価格に影響されず常に同一の金額 となります。


消費税は 本体価格とガソリン税・石油税を足した価格に10% をかけます。


レギュラーガソリン 170円の場合、ガソリン税・石油税 56.6円、消費税 15.5円。


ガソリン1Lあたり 合計72.1円(約 43%)の税金がかかっています。



トリガー条項とは?


2010年に暫定税率(25.1円)の廃止を試みましたが、財源不足のため同額の特例税率を課すこととなりました。


その際に、ガソリン価格高騰時は 一時的に暫定税率(25.1円)を免除して、消費者負担を抑えるための救済策としての「トリガー条項」が導入されました。



レギュラーガソリン価格 160円/L を3ヶ月連続で超えると、暫定税率(25.1 円/L) の課税を停止 させる仕組みが、トリガー条項です。


しかし、翌年に発生した東日本大震災の復興財源の確保に充てるため、震災特例法という法律で、トリガー条項の発動は凍結されました。


今回、トリガー条項の凍結解除が話題となっていますが、実現するためには震災特例法を改正する必要があります。


ちなみに、トリガー条項が発動された場合、元に戻るためには 130円/L を3ヶ月連続で下回ることが条件となります。



トリガー条項発動されたらガソリン価格はいくらになる?


2023年11月23日時点の 全国レギュラーガソリン平均価格は 169.9円。


前週11月16日から支給されたガソリン補助金は 25.1 円。


奇しくも ガソリン補助金と暫定税率が同額 25.1円!!

ということは、ざっくり言うと トリガー条項が発動されても、ガソリン価格は現在とほぼ変わらないこととなります。


もう少し詳しく計算してみましょう。


ガソリン補助金がなかった場合の価格: 195円(169.9円 + 25.1円 )


195円の場合 本体価格: 120.6円


本体 120.6円 + ガソリン税(本則)28.7円 + 石油石炭税・温暖化対策税 2.8円 = 152.1円


152.1円 × 消費税 10% = 167.3円


暫定税率 25.1円にも消費税10%がかかっているため、その分2.6円安い価格となります。


(二重課税も問題視する声も多くありますが、今回は一旦置いておきましょう。)


ただ、11月23日からのガソリン補助金は 23.5円となるため、トリガー条項を発動した方がガソリン価格がさらに安くなりますね。



ガソリン補助金 vs トリガー条項


ガソリン補助金は、現在ガソリン価格が175円程度となるように、毎週調整した金額が支給されます。


それに対して、トリガー条項の発動した際は 暫定税率 25.1円分がガソリン価格から引かれます。


最近は原油価格も値下がりしているため、トリガー条項を発動した場合の方が、政府が目標と定める175円よりガソリン価格が安くなる可能性が大きいです。


gogo.gsメンバーアンケートでも、「トリガー条項の発動」 を求める声を多くいただいております。


本日11月24日の閣議後の記者会見で財務相は、トリガー条項を凍結解除すると「国と地方で1.5兆円もの巨額の財源が必要になる」ことを示しました。


ただし、11月7日に公表された会計検査院の「令和4年度決算検査報告」によると、ガソリン補助金開始以降の14ヶ月間で、ガソリン補助金の交付額は1兆2773億円にのぼったそうです。


また、この検査員の民間調査に委託したモニタリング業務費用に約62億円かかっていることも問題視されていますね。



ガソリン補助金は、2024年4月末まで決定していますが、5月以降のガソリン補助金やリガー条項凍結解除への動きも、しっかりと見届けていきたいと思います。