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2021年8月27日

ガソリンスタンド業界紙の現役編集記者から問題提起!どうなるガソリンスタンド!?



車に乗る私たちの身近にあるガソリンスタンド。


ここ数年は、近くのガソリンスタンドが閉店したなど、ガソリンスタンド数の減少を感じている人も多いのではないでしょうか。


昨年は「ガソリン車の新車販売禁止」もニュースとなり、近い将来、私たちの車選びをはじめ、ガソリンスタンドのあり方も変わっていきそうです。


ガソリンスタンド業界紙の現役編集記者として、またSNSでは地域で愛されている「カッコいいガソリンスタンド(イケスタ)」を紹介するなど、多くのガソリンスタンドを取材・発信してきた GS編集部員 秋山氏(Instagram:GS編集部員 )が、ガソリンスタンド衰退期を乗り切る方法として、実際にガソリンスタンド運営者向けに講演した内容の一部をお届けしたいと思います。




車のあり方が変わろうとする中で、ガソリンスタンドも今まさに変わっていこうとしています。


私たちガソリンスタンド利用者が、その変化に関心を向けることで、一緒により良い地域のガソリンスタンドを作っていくことができると思います。


今回の提言を通して、今後のガソリンスタンドの変化に一緒に注目していきましょう!


現場を見てきたGS編集部員から問題提起!


ガソリンスタンド業界は、これから誰も経験したことのない時代に突入します。


- ガソリン車ゼロ時代?

- 完全無人セルフガソリンスタンド?

- 異業種参入?


従来型ガソリンスタンドの価値はゼロに近づいていく中で、様々な現場を見てきたGS編集部員が問題提起します!


ガソリンスタンドは消費者の生活サイクルに無頓着


ガソリンスタンドが描く「販売サイクル」と消費者の「生活サイクル」にズレがあるのはお気付きですか。




ガソリンスタンドは、消費者の数ある生活サイクルの1つに過ぎません。


例えば、時間が限られた送迎の途中などに、ガソリンスタンドで売り込みを掛けられてしまったら、困ってしまいますね。


このままでは人材がコモディティ化する


平準化されたビジネスパッケージは、アルバイトにも取り組みやすく、素早く収益を上げられるのが特徴です。


とくに、高付加価値商品の講習を受けたスタッフは、利益商品の獲得こそが使命とばかりに、目の前の作業に没頭しがちです。


一方の会社側も、資格のランクアップや大会への出場を推奨し、スタッフのモチベーションを鼓舞しています。しかし、この「悪意なき平準化」こそが、業界に潜む大きな病巣だと思うのです。


誰でもできるビジネスは宿命的に【作業者のコモディティ化 → 給料の頭打ち】を招きます。


次の打ち手や独自のスキルの構築がないと、結果として人材を使い捨てるようなことにもなりかねません。


そうならないためにも、やり方を丸投げせず、また思考停止状態に陥ることなく、お客様のカーライフシーンにどのように寄り添えば一番喜んでもらえるのか。


あるいは、自分たちの「売り」とするサービスは何か?


それをどう発信し、どのような形でお届けすれば、お客様の心に一番染み渡るのか等を、真剣に考えていかなければなりません。


業界全体がアップデートすれば、価格を超えた価値を提供することができ、不毛な価格競争から抜け出せると信じております。


そのPRは消費者に伝わっている!?


ー 石油は最後の砦

ー 国家資格整備士がいます


法律に基づく機能と技術を世間にPRしても、消費者にその「価値」が伝わっていますか?


認識されない機能や技術は「価値」とはなりません。


地域の生活者との新たな関係性を築く


これらの問題の解決方法を考えていきましょう。


地域とのかかわりを大切に、お客さんを絡めて全力でサポート!

これは顧客との関係だけのことではなく、「地域の生活者」との新たな関係を築くことが大切です。


◇ 地域の生活者が「いいね」と評価する経営姿勢を見せよう。


◇「あのガソリンスタンドいいよね!」と拡散される存在価値を持ち、地域の方たちと関わっていこう。


ガソリンスタンド業界はこれまで「給油客を固定化すること」ばかりを考えてきました。しかし、結果として似たようなサービスや施策が溢れ、同質化競争を招いたことは否めません。


これからは顧客接点を「物を売る機会」ではなく【つながりを深める場】として見直すことが不可欠です。


「どうしたら売れるか」から「地域のお客様に何をして差し上げられるか」という発想へ。


明確な理念のもと、自分たちの想いと行動を随時、発信していくことが重要になってくると思います。


「業界」ではなく「地域と生活者」を見よう!

利用者のサービスを向上に繋がる UX(顧客体験)という言葉が流行しましたが、UXには “どうデザインするか” の視点が不可欠となります。


ガソリンスタンドでも、「UX=価値」の認識となれば、消費者がガソリンスタンドのことを評価・発信するようになっていくはずです。


それでは、実際に地域とのかかわりを持ち始めているガソリンスタンドの事例を見ていきましょう。


地域にかかわるガソリンスタンドを紹介


地域に馴染むガソリンスタンド


地域のお客様と良好な関係を築くために、何をどうするのかを考えて、目線を変えて見直すガソリンスタンドが出現しています!




ENEOS 南西SS / (有)ヤマシタ

大ヒットの旬な時期に鬼滅グッズをプレゼントしたり、季節のイベントには子供たちを巻き込んで行う。イベントは、物販目的ではなく「地域のお祭り」を意識しています。




「SSは仕方なく行く場所。そんな意識を変えたい。 "元気もらえるね” と言ってもらえるように楽しいイベントで記憶に残れる存在になりたい」((有)ヤマシタ)


ドライブスルーで楽しむハロウィンイベントとは!? - ガソリンスタンドの新しいイベントの形 -

ガソリンスタンドを地域のコミュニティに


町から書店が無くなった。それならガソリンスタンドが古書店をやる!と、お客さんに古本を持ち寄ってもらい、書籍販売をスタートしたガソリンスタンドがあります。




出光 セルフ湯河原SS / (有)島袋商店

セールスルームは「ガソリンスタンドだからこれでいい」の妥協はなく、アロマの薫りが漂い、BGMにジャズが流れるオシャレな快適空間となっています。




「地域のニーズを100%つかむことなんてできない。逆に言えば、うちのお客様を根こそぎ持っていかれる心配もないということ。だったら、これを担保に自分のお店のスタイルを自信を持って築けばいい。」( (有)島袋商店)


小規模店ならではの「価値の伝え方」を実践しているお店となります。


地域スポーツを支援する


旭油業は、地域のサッカー少年団をユニフォームやボールなどの提供でスポンサード支援。また、社会人アスリートを社員にして、生活環境の支援も行っています。




旭油業(株) のガソリンスタンド

共通のキーワードは「地域」


湘南菱油ではキッチンカー、お野菜定期便、サッカーチーム支援など、「地域」の人を巻き込む活動を展開。


よい体験をした人たちがSNSで湘南菱油について発信。地域で評判になるとメディアからの取材も!




湘南菱油(株) のガソリンスタンド

地域に合わせて開催されるガソリンスタンドのイベントを取材しました!

ガソリンスタンドは地域のプラットフォームになる!単発のプレゼントキャンペーンから、ファン獲得への循環型へシフトしていこう。

今回ご紹介したように、一見すると直接的な利益に結び付かない日常行動の継続が、地域の中で「情報」として循環し拡散されます。そして、店舗のファンとなり、結果的に利用客増に循環していくのです。


プロセスが価値になる


完成品は誰にでも売れるもの。今の時代は店頭だけでなく、ネット通販でも簡単に手に入ります。


それならば、ガソリンも洗車も プロセスで売ろう!その方法に迫ります。


洗車機入替工事をプロセスで見せる


湘南菱油が洗車機入替工事のプロセスを発信した事例をご紹介します。


湘南菱油のSNSでは、「裏側見せます」シリーズとして、新型洗車機の設置作業の進捗状況を発信を続けました。



ガソリン業界の人にとっては当たり前の光景ですが、一般消費者にとっては非日常の情報。


頻繁な情報更新を通して、洗車機工事という非日常情報をプロセスとして発信を続けました。


そして、洗車機の入替えが完了すると、県下初導入となる洗車機を「LINE会員様限定」で、洗車機全コース&オプション全てを無料開放。


入替え工事からのプロセス(物語)が完結します。


そして、SNSで見たプロセスに反応した地域の方が、無料洗車を体験に来て、利用した感想をSNSに投稿。



プロセスがプロセスを生み出して、好循環を生み出していく事例となりました。


ガソリンもプロセスで見せる


ガソリンもプロセスで売るのは、山梨県にある正栄産業。




出光 とりさわSS / 正栄産業(株)

給油機に設置されたPRパネルは、出光のCF動画より作成したもの。




午前2時の製油所から午前5時の店舗着まで、物流のプロセスを見せることにより、「ガソリンの鮮度(品質)」のアピールにもなります。


また、価格情報も原油価格の相場がどう動いてきて今の価格になったのか、相場のプロセスを見せています。



このように、プロセスというストーリーで地域と繋がろうとしているガソリンスタンドがあります。


生活者が喜んでくれるための投資を惜しまないこと。その地道な努力に消費者が反応し、よい評判は拡散されていきます。


従来型のガソリンスタンドから、地域との関わりを大切に「あのSSいいね!」と言われる努力を重ねていくことが大事。

ガソリンスタンドの変化に反応しよう!


GS編集部員 秋山氏の提言はいかがでしたか?


ガソリン価格比較サイトとしてスタートした gogo.gsは、ガソリン価格情報共有はもちろん、ガソリンスタンド利用者がもっと便利になるようなガソリンスタンド全体についての情報共有を目指しています。


今回ご紹介されていたような各ガソリンスタンドの取組みもgogo.gsを通して発信していき、地域の方に届けていきたいと思います。


ただし、お店側が一方的に伝えたい情報ばかり伝えるだけでは、一方通行になってしまいます。


まずは、消費者が知りたいと思う「価格情報」「取扱いサービスメニュー」「サービス価格」などを正確に伝えていくことも大切だと、gogo.gsは考えます。


ガソリンスタンドを利用する皆さんも、変わろうとするガソリンスタンドの想いが届いたら、SNSやgogo.gsの口コミ投稿などを通じて、反応してみてください!


その反応が、より良い地域のお店作りに繋がり、地域の方にとってもいい環境となりそうですね。



▶ GS編集部員 秋山氏 Instagram


Instagram:GS編集部員


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